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俳句朗読演技
【 淋しい花瓶 】50句27分 ギネマ
私は淋しい花瓶である
石ころ蹴っ飛ばしたら犬が啼いた
封を閉じ切手を貼るだけの恋でした
片恋に愛しさ増ますや油虫
朝閉じる花ゆえ逢えぬ曼陀羅華
うつむく貴方の蟻になりたい蝉だった
なぜ一つになれぬ夜露かさやえんどう
あなたの庭の苔でいさせて甘雨かな
彼の爪で瘡蓋剥がす予定です
なるべく激しく壊して欲しいアタシの濡れた空き瓶
そのカケラを確かめて欲しい濡れてるうちに
置いてきた荷物に君が入っていたのに
足跡に唾液をかけて探します
家族風呂に蛾が浮かんでいる
父は石鹸を可愛がるのだった
サンタさんが怖い目をしていた
俺のパンツは真面目なんだ!と父失踪の朝餉かな
夜が母を襲う
毛穴に兄が居る
母じっと見る井戸の銀蝿輝けり
ふと我に返る小路の母子草
アタシも泣きたいと夜の自販機濡れて
名月や切ないなんて言えるもんか
熟れ過ぎた夜の柿の落つる音
あの人をもう一人作ってよいか冷蔵庫に問うてみる
電子レンジであの人を増やしています
伝染る前に冷蔵庫から出て行きなさい
換気扇に私を投げ入れて下さい
喉元に愛していると書いておけ
貴方の箸が迷っている
ひぐらしの道を無口な影踏んで歩く
あの日抱いた向日葵日向で朽ち果てり
君の歯をなぞり花火の終りかな
名月も独り我も独りの草饅頭
秋肥ゆる汚れたカップのかけら抱きて
猫帰る我知らぬ砂を踏み
暁の遠き風鈴乳房にて
結ばれし耳に焦げつく糸電話
愛人の臍に植えた私だけの花
たとえ貴方がマンホールの蓋であってもアタシには分かるわ
「ラブレター」とつぶやいてみる夜鷹かな
恋人は夜鳴く鳥と覚えけり
二人行く果ては夜露の船となり
椿落つ逢いたいと言ってもいいですか
私は不真面目なパンツである
夜の穴に堕ちる
餓鬼よ私の窓を叩け
恋埋めし樹に生る奇妙な果実かな
片恋の和式便所にも春は来て
虫食いのおしろい花が香りけり
3509-135146
*Photo by Kanau
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